中教審、第4回会合で教員の働き方改革を議論 

教育問題

 9月26日、中教審「質の高い教師の確保特別部会」において、働き方改革の議論がなされた。これについて考察したい。

中教審「質の高い教師の確保特別部会」の第4回会合で教員の働き方改革を議論:東洋経済ONLINE

—トピック—

  • 会議内で横浜市の働き方改革の事例紹介
  • 委員からは文科省担当者へのいくつかの質問がでた
  • フレックスタイム制度の導入等についての議論
  • 長時間勤務の改善にはDXの推進等の意見がでた

 横浜市では働き方改革プランを18年に策定。体育大会を取りやめたり、フレックスタイム制度を導入したり、学級を持たない学年主任をチームマネジャーとして配置して教科分担制を導入したりする独自の取り組みなどを続けた結果、2カ月連続で時間外在校等時間が80時間を超えた教職員数が18年には3995人だったのが22年には2608人に減少、午後7時までに退勤する教職員の割合も69.7%から76.2%に増える(※)など、効果を上げている。

 フレックスタイム制については、詳細がどうなっているのか気になった。他の方が詳しく調べているようなのでこちらを参照して頂きたい。子育てや介護など、様々な事情がある場合には、多少の労働条件改善になるとも考えられるが、およそ人権を無視した異常な時間外労働が発生している問題を最優先で何とかするべきではないだろうか。その問題を解決した先のフレックスタイム制ではないかと思う。また、フレックスタイム制を導入するにあたっては、人の出入りをマネジメントする必要があり、それも校内の人員がするのであろうから、新たな仕事が発生することになる。全体的に退勤時間が早くなったことは喜ばしいことだが、持ち帰り仕事等の隠れ残業時間がどのようになっているのかも、詳しく知りたいところである。

 委員からは「教員の働き方改革は保護者の理解を得ることが大切で、難しいことでもあるが、どう伝えているのか」「働き方改革と校長の人事評価は連動しているのか」「働き方改革のゴールは何か」などと質問が出た。

 働き方改革について、保護者の理解を得ることも大切であるが、原理原則から言えば、法治国家である以上、保護者の理解より法を優先すべきではないかと思う。「現状の業務量を勤務時間内に遂行することは、できない」とはっきり伝えることも必要だし、そのアナウンスは、学校に丸投げするのではなく、文科省や教育委員会等の教育行政が責任を持ってやって欲しいと思う。

 さらに会議では横浜市のケースを踏まえ、在校等時間が上限時間を超えている場合に服務監督者である教育委員会や校長が学校の業務の検証や見直しをどのように行うべきか、またフレックスタイム制度の導入でどのように勤務を柔軟化させるべきかについて議論。

 在校時間が上限時間を超えていない学校など存在するのかどうか疑問があるが、著者の経験上、本気で何とかしようとしている教育委員会や校長を見たことがない。現時点でこのような議論をしていること自体、遅きに失した感が否めない。

委員からは ~中略~ 「長時間勤務の改善はDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を用いて改善すること)を徹底的に推進していくことで効果が出る。これから教員になるZ世代は、紙ベースのままでパソコンを業務に活用できない環境での仕事ではストレスを感じるだろう」などと意見が出た。

 DXは非常に強力なツールであり、これらを推進していることは大切なことである。筆者の勤務する学校でも保護者アンケートをグーグルフォームで集めることにより、集計者の大幅な時間と労力を省略することに繋がっている。

 質の高い教師を確保するためには、教職が様々な面で憧れを抱けるよう、制度設計をしていかなければならない。職業に貴賎はないが、よい条件で働きたいというのが人間の本音であろう。民間企業では、よい人材を確保するために、本気で労働条件を改善し、人材確保に躍起になっていると聞く。やりがいも大切だが、それを前面に押し出し、人材を確保しようとしても通用しなくなっているのは、近年の教員採用試験の倍率を見れば容易に理解できる。小手先の改革ではなく、本質的な部分にメスを入れて、改善を図っていく必要があると思う。

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