青森県むつ市の中学校教員が部活動の「地域クラブ化」を希望。中学校教師の時間外労働の約7割が部活動。これについて考察したい。
青森・むつ市の中学校 教員から部活動の「地域クラブ化」望む声 時間外労働の約7割が部活動:ABA青森朝日放送
—トピック—
- 市内の中学校の部活動の地域クラブ化を目指し、2023年度から一部の部活動で開始、2025年度までには、完了予定
- 部活動指導の教員の65%が、専門外の部活動指導をしている。月に平均48時間を部活動に費やし、時間外労働時間の7割が部活動
- 教員からは早期の移行を望む
- 宮下知事、むつ市教育長の発言
青森県むつ市は、生徒数の減少などを理由に、市内の中学校の部活動の地域クラブ化を目指しています。2023年度から一部の部活動で始めていて、2025年度までには、すべて終える予定です。
全国の中学校教師の関心の的になっている学校部活動の地域移行化について、むつ市では、2025年度までに完了させるという目標を掲げて頂き、素晴らしいと感じる。スポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言(令和4年6月6日)」でも令和7年度(2025年度)を目途に地域移行化を推進していく計画である。あと2年半で地域移行化を完了するとは思えないが、むつ市の取り組みが全国の中学校の先駆けとなるよう、目標達成に向けて頑張って欲しい。
アンケート結果によりますと、現在部活動を指導している教員のおよそ65%が、専門外の指導をしていて、月に平均48時間を部活動にあてています。むつ市が、2022年度に行った調査では、中学校教員の時間外労働時間は平均70時間だったため、そのおよそ7割が部活動に費やしていることが分かります。
何をもって専門競技とするのかにより、アンケートの見方は変わるが、自身が学生の時に取り組んだ競技と仮定するなら、3人に2人は、経験済みの競技の指導者として関わっていることになる。3人に2人というのは、非常に多い数字だと感じる。中学校部活動の顧問の割り当ては、その人の競技経験を勘案することは間違いないが、それよりも校内の人事、分かり易く言えば、「指導者の空いている競技を新任は、あてがわれる」ことの方が多いのではないかと思う。これをどう捉えるかは、その人なりの感性であるが、競技経験がある方が、指導しやすいことは間違いないであろう。
時間外労働が70時間というのもどうかと思うが、その7割が部活動指導であると言うのも非常に問題がある。部活動は時間外だけでなく勤務時間内でも指導するであろうから、中学校教師の部活動に費やす時間と労力がいかに大きいか、この結果を見れば理解できる。この実態は、本来業務である学習指導にかける時間を圧迫していることに間違いはない。
さらに、教員からは早期の移行を望む声が多いことが分かりました。
部活動命の教師も少なからずいて、部活動の教育的意義について異論はないが、日本の部活動は、教師の自己犠牲の上に成り立っており、それを多くの教師は負担に感じている。部活動の地域移行が完了すれば、本来はないとされる教師の時間外労働が0になるわけではないが、持続可能な労働環境を実現する為には、学校教育から部活動を切り離す時期に来ていることは、間違いないと思う。
【宮下知事】 「働き方をそれぞれの学校が丁寧に議論を進めてやっていかない限り、いくら地域移行したり、いくら地域が学校のことを引き受けても、働き方改革は絶対にできない」
「現場は、教育委員会を中心に現場にはしっかり取り組んでいただきたい」【むつ市教育員会 阿部謙一教育長】
「過渡期の中で難しい部分はありますが、この2年間しっかり取り組んで、地域移行が完了した時には、100%の教員が以前に比べて負担が軽減されたと答えてくれるような、そういう2年後を目指しています」
知事は元、むつ市市長であったということだが、発言の意図がよく分からない。学校現場でも、誰かがやってくれるのを期待して自分たちで何もしないなどと言うのは論外だが、そもそも、働き方改革を行う主体は、県の教育行政を統括する知事にあるのではないかと思うのだが・・・。また、丁寧に議論することも大切だが、教師の待遇改悪のスピード感に比べて、待遇改善の遅さと言ったら、ウサギとカメくらいの差がある。
教育長の言うように地域移行が完了すれば、100%の教員が負担軽減を感じられるに違いないし、学校以外の場でスポーツを通じて様々な体験や人間関係ができることは、生徒にとっても豊かな人生経験になるのではないかと思う。


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