不登校が30万人に この10年で約3倍に 

教育問題

 文部科学省の調査で、不登校の小中学生が2022度、過去最多の29万9千人に達した。これについて考察したい。

ついに不登校が30万人に この10年で約3倍に激増の「皮肉な理由」とは:デイリー新潮

—トピック—

  • 不登校の小中学生が昨年度、過去最多の29万9千人に達した。全小学生の1.7%、中学生の6.0%にあたる
  • コロナ禍で生活環境が変化とある法律による保護者らの意識の変化も理由に挙げる
  • 国は今年3月、不登校対策「COCOLOプラン」なるものを公表し、「学びの多様化学校」(旧称「不登校特例校」)を現在の24校から将来的に300校に増やす目標

 不登校の小中学生が昨年度、過去最多の29万9千人に達した。全小学生の1.7%、中学生の6.0%にあたるから、2クラスに1人は不登校生がいる時代なのだ。特に過去2年間で急増し、10万人以上増えている。

 小学生では、約60人に1人、中学生おいては、約16人に1人ということであり、中学生になるとクラスに2人程度不登校生がいることになる。著者が教職に就いた四半世紀以上前から比べると、増えている。個人的な感覚であるが、コロナ禍以降は増加傾向に拍車がかかっているような気がする。

 ちなみに不登校の定義は文科省によると「長期欠席者(年間30日以上 の欠席者)のうち『何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により, 登校しないあるいはしたくともできない状況にある者』ただし,病気や経済的な理由による者を除いた者をいう。」とある。

 余談になるが、半期に一度、「問題行動調査」という文科省からの調査が入る。不登校やいじめ、暴力行動等の調査報告なのだが、これが結構面倒くさい。いじめに関して0報告すると、きちんと調査したら0になるはずがないと教育委員会から難癖をつけられたりする。いじめが0なのは結構なことで喜ばしいと思うのだが、どこで不思議な力が働いているのかよく分からないが、どうも文科省や教育委員会は、いじめを0にしたくないらしい。いじめ件数が過去最高などと報道されることがあるが、そりゃそうだと筆者は思う。

 文科省では「コロナ禍で生活環境が変化し、生活リズムが乱れやすい状況が続いた」などと分析。一方で、ある法律による保護者らの意識の変化も理由に挙げる。

 その法律とは2016年、超党派の議員立法で成立した「教育機会確保法」で、不登校児童の休養の必要性を認めたものだ。要は“無理して学校に行かなくてもいい”ということらしい。 

 コロナ禍によって、生活リズムが云々と言うことよりも、コロナ禍を契機にして「学校には行かなければならない」と言う感覚が薄れた児童生徒、保護者の存在があるのではないかと思う。現在は、私塾やネットを通じた学びなど、学びの型は多種多様で、学校という従来型の学びに限定されなくても学習は進められる。学校は、時間にタイトで集団生活の様々なルールに縛られており、それを窮屈に感じ、適応できない子供が一定数いるのは必然であろう。

 法律に関して述べているが、教師でも「教育機会確保法」を知らない者が多い。保護者でその法律を知っている方は、よほど意識が高い方でないと存在しないと思う。ただ、「無理して学校に行く必要はない」という意識をもっている保護者は、増えてきてはいると思う。

 国は今年3月、不登校対策「COCOLOプラン」なるものを公表した。例えば、不登校生向けに学習カリキュラムに弾力性を持たせた「学びの多様化学校」(旧称「不登校特例校」)を現在の24校から将来的に300校に増やすことなどを目標として掲げている。

 COCOLOプランの3つの柱は、

1.不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
2.心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
3.学校の風土の「見える化」を通じて、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする

となっている。1の取り組みの目玉は、「学びの多様化学校」を300校に増やす取り組みで、実現すれば大いに評価できる。現在も各自治体では、不登校適応教室等を設置し、不登校対応の努力はしていると思うが、国として予算化と組織化を図ってバックアップをしてもらえれば、問題改善に向けて期待が持てる。2と3については、従来から言われ続けているものであり、評価に値するものでもない。

 不登校の原因は様々で複合的原因も多く、特定が難しい場合もある。不登校自体、決して悪ではないと思う。また、学びの場が絶対に学校である必要もなく、それぞれが自由に選べる選択肢や受け皿を用意することもこれから益々必要になってくると思う。方法はどうであれ、その子が自立して社会人として生きていけることをゴールと見据えた教育施策が大切であると思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました