教職調整額10%以上に中教審特別部会が教員不足解消策とりまとめ:毎日新聞
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- 中央教育審議会(中教審)の特別部会は13日、教員不足の解消に向けた総合的な方策を取りまとめた。残業代を支払わない代わりに一律支給する「教職調整額」については、文科省が4月に示した素案通り、現行の給料月額の4%から10%以上に引き上げるとした。
- 教員の処遇改善▽働き方改革の加速▽学校の指導・運営体制の充実――を対策の三つの柱と位置づけた。
- 教員の働き方やワーク・ライフ・バランスの尊重が教職のイメージ改善に不可欠だとし、国に対して教職調整額を規定する教員給与特別措置法(給特法)の改正や予算措置を求めた。
- 特別部会では残業代の導入についても議論したが「長時間労働を助長する」「(どこまでが業務かを)切り分けることは学校現場になじまない」として見送られた。
文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)の特別部会は13日、教員不足の解消に向けた総合的な方策を取りまとめた。残業代を支払わない代わりに一律支給する「教職調整額」については、文科省が4月に示した素案通り、現行の給料月額の4%から10%以上に引き上げるとした。以前から俎上に上がっていた教職調整額の支給割合について改善を図ったことは、現行制度を維持することを前提にするならば、一定の評価に値する。実情にそぐわない半世紀も前に制定された給特法に規定された教職調整額が幅をきかせていることがおかしいと思うのは、筆者だけではないはずである。遅きに失した感はあるが、待遇改善に動いてくれたことは、よいことだと思う。ただ、10%が妥当かと言われれば、月に40時間も50時間も時間外労働を強いられている状況を考えると、改善の余地はまだまだありそうである。また、この改訂が、大学生が教職を選択する動機に大きく影響するとは思えない。月額2万や3万の教職調整額が、無限労働とも言えるこの業界に足を踏み入れるきっかけになるとは思えない。
方策は、教員の処遇改善▽働き方改革の加速▽学校の指導・運営体制の充実――を対策の三つの柱と位置づけた。具体的な取り組みとして、教職調整額の引き上げのほか学級担任手当や管理職手当の改善、働き方改革の進捗(しんちょく)状況の公表、勤務間インターバルの導入、若手教員の支援強化を盛り込んだ。個々の改善策について私見を述べることは差し控えるが、総論としては、待遇改善につながることならば、歓迎しない理由はない。しかし、現場で働く教職員の声は、「議論を尽くすのはいいが、早く実行してくれよ。」である。「こんなことが実現する頃には、俺はとっくに辞めてるよ。」という諦めの声を発するベテランも少なからずいる。法の整備や制度設計は一朝一夕にはできないと思うが、とにかくスピード感がない。5年も6年も前から、働き方改革が叫ばれ、若者の教職離れが起きていたのだから、今こんな議論をしている場合ではないだろうと言う気持ちになり、個人的には残念である。
これらの対策は「相互に密接な関連を有し、一体的・総合的に推進する必要がある」と強調。教員の働き方やワーク・ライフ・バランスの尊重が教職のイメージ改善に不可欠だとし、国に対して教職調整額を規定する教員給与特別措置法(給特法)の改正や予算措置を求めた。定額働かせ放題とも揶揄される、給特法があるから、ワーク・ライフ・バランスが成り立たなくなっているのに、それを改正し予算措置を求めることは、どういうことなのだろうと疑問を抱かずにはいられない。調整額の改正を評価すると上記したが、根本的解決を図るには、以前から主張している通り給特法を廃止すべきである。給特法を廃止して労働時間に見合った給与を支払うことが制度化されれば、使用者側にコスト意識が生まれ業務を削減せざるを得ない状況に追い込まれるからだ。一定額を支払う代わりに、残業代を払わないという現行制度では、ワーク・ライフ・バランスの尊重など、夢物語に過ぎないと筆者は思う。
特別部会では残業代の導入についても議論したが「長時間労働を助長する」「(どこまでが業務かを)切り分けることは学校現場になじまない」として見送られた。「長時間労働を助長する」を言い換えると、「残業代欲しさに遅くまで残っている教職員が増える」となる。これに関しては、民間企業も同じだと言える。しかし、民間企業では、残業するにあたって、上司の許可が必要であり、ただ単に仕事が遅かったり、残業代欲しさにだらだら仕事をしている場合においては、残業は認められない。学校現場においては管理職がその役を担う訳で、管理職は労務管理をしなくてはならなくなり、大変になるが部下職員の勤務時間の管理をするのも管理職の仕事だと考えれば当然のことと言えよう。 二つ目の「(どこまでが業務かを)切り分けることは学校現場になじまない」であるが、こんなことを言っているようでは、いつまで経っても働き方改革なんてできない。未納給食費の徴収から校舎の修繕備品の管理に土日の部活動。不登校児童生徒宅への家庭訪問。その他、子どもに関わるありとあらゆる仕事を都合よく押しつけている。きちんと業務を切り分けて、職務と責任の範囲をはっきりさせない限り現状が変わるわけがない。調整額が10%になること自体はありがたいが、現場としては、それよりも先に業務の切り分けや削減、きちんとした労務管理をやって欲しいと切に要望する。


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