鹿児島県教育委員会が教員不足解消の手だてとして、民間の経営者や大学教員ら8人に助言をもらった。これについて考察したい。
働き方改革や魅力発信すれば先生は増える?…なり手不足解消へ、民間の経営者らが県教委にアドバイス:南日本新聞社
—トピック—
- 教員の確保に向けて、鹿児島県教育委員会が設置した有識者検討委員会の初会合が県庁であり、民間企業経営者や大学教員ら8人が参加
- 県教委教職員課が、学校や教員の業務見直しの取り組みを紹介
- 教員のやりがいや魅力を高める方策では、小規模校に勤務していても研修に参加しやすい仕組みが必要との指摘
- 特別支援学級の急増で教員需要は増える一方、臨時的任用教員は不足し、教員採用試験の倍率も低下
なり手不足が深刻化する教員の確保に向けて、鹿児島県教育委員会が設置した有識者検討委員会の初会合が3日、県庁であった。民間企業経営者や大学教員ら8人で構成。11月までに働き方改革や魅力発信の在り方などを審議し、県教委へ提言する。委員長には、鹿児島大教育学部の溝口和宏学部長が就いた。
いつものことであるが、教育行政の方々は、わざわざ時間と費用をかけて、有識者や外部の人間の意見をお伺いするのか、理解に苦しむ。そんなコストをかけなくても、本ブログの記事を最初から読めば、答えが書いてあると筆者は思うのだが。「教職の魅力がPRできていない」と様々な教育行政の方々がおっしゃっているが、「本ブログのPRができていない」と反省することしきりである。
そんな冗談は置いておいて、行政はこういった面倒くさい手続きを踏まないと、物事が前に進まない組織であり、公の仕事は致し方ない面もあるのは、筆者も理解しているつもりである。それにしても、いつもブログで述べているが、こんな議論をしている場合ではない。5年も前に方針を決めて、実行し、成果を確かめ、今は改善を図っている段階でなくてはいけない。
県教委教職員課が、学校や教員の業務見直しの取り組みを紹介。保護者や地域の理解、協力を得るには、丁寧な対話が不可欠と説明した。委員からは「学校からお願いするのは角が立つ。教育委員会が支援してほしい」「仕事を減らすことを目標に据え、失敗を恐れずに取り組める保障が必要」などの意見が出た。
ふくれあがった業務を減らすために、丁寧な対話を繰り返し、保護者や地域の理解が必要と言うのは、もっともらしく聞こえはするが、そもそもそんな事態になってしまったのは、学校の業務の範囲を逸脱し、親や地域が本来担う役割を学校に無理矢理担わせてきたからではないかと筆者は思う。部活動にしても、教師の善意でやっていたものが、いつの間にか既得権益のようになってしまい、「やるのが当たり前」という意識で学校や教師を見るようになっていったのではないだろうか。学校が下から目線で、卑屈に保護者や地域にお願いすることではなく、対等な立場でこれからの教育について、議論をすればいいと思う。
教師が御用聞きのようになってしまっている以上、委員が言うように、教育委員会が学校の盾となって支援して欲しいという意見は、よいことではあると思う。
教員のやりがいや魅力を高める方策では、小規模校に勤務していても研修に参加しやすい仕組みが必要との指摘があった。離島で働けるといった鹿児島ならではの特徴や、福利厚生のPR強化などの提案も出た。
小規模校に勤務していても研修に参加しやすい仕組み作りが教員の魅力を高める方策とは、一体何を言っているのか筆者には理解できない。また、山間離島と言った僻地教育こそ、教育の原点があると筆者も身をもって体験しているので分かるが、何分生活が不便であり、大学出たての20代の若者の多くには、なかなか伝わらないのではないかと思う。福利厚生については、公務員であるのでよいと思うが、ブラック企業もしっぽを巻いて逃げていく、無限労働が適法とされているこの教育業界である。いくら福利厚生の良さをPRしても、それほど職業として教職を選ぶアドバンテージにはならないだろう。
教職員課によると、近年、特別支援学級の急増で教員需要は増える一方、臨時的任用教員は不足。教員採用試験の倍率も低下しており、2024年春採用の小学教員は1.3倍にとどまった。
筆者の暮らす自治体でもちょっと人気のある高校の入試倍率は、2倍近くあるので、併願も可能な教員採用試験で1.3倍というのは、殆ど合格できると言わざるを得ない状況であると思う。筆者の過去のブログ「2024年度 教員採用、小学校で過去最低1.1倍 東京都」でも述べているが、合格者の質をどうこう論じる段階ではなく、とにかく数を集めなければならない状態である。これは、1年前の教員採用試験の惨状を紹介した投稿であるが、1年経っても何も変わっていないと思う。
蝶よ花よと、大切に育てられてきた現代の若者たちが、教師になってみたいと思わせるような労働環境を提示しなければ、100万年経ってもこの状況は変わらない。やりがいはどんな仕事にもあるし、それは、自分で見つけ感じるべきことである。「いつになったら帰れるのか分からない。」「こんな仕事をして、子どもたちに何を還元できるのだろう。」「休憩時間とはいつなのか」等々、全国の教職員なら、一度と言わず千度は考えただろう疑問を抱くことなく、安らかに職務に専念できるような労働環境を提供すること。そうすれば、すぐになり手不足は解消されると筆者は信じて疑わない。


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